YST Yahoo!検索エンジンの目指す未来

 YST ( Yahoo! Search Technology ) 、ヤフーの検索エンジンの2007年アルゴリズム変更やアップデートについては、その都度、Yahoo!検索 スタッフブログの方にアナウンスされていますが、Yahoo!検索エンジンの目指す未来はどんなものなのか?私なりに感じていることを書きたいと思います。


まずは検索エンジンの起こりと進歩を振り返ります。

 「検索エンジン」はその起こりは、電話帳のようにサイト名からWebサイトのURLリンクを探す目的で始まったのです。その世代の検索エンジンはサイト名やサイトの紹介文がメインの検索対象でした。そのため、多くのWebのトップページにたどり着くことが目的でした。そのため、ディレクトリ型と呼ばれる登録型のシステムに重きがおかれていました。利用者の側はサイト名が分かる場合を除いて、目的のサイトを探す時は、大カテゴリ−中カテゴリ−小カテゴリ−サイトの一覧を見てアクセスするサイトを探していました。

 第2世代の検索エンジンは、検索キーワードに最も適合度の高いページを目的のページとして検索順位を出力するようになりました。それぞれのページにメタタグに埋め込まれた紹介文やキーワードを信頼する方式だったため、悪用するWebマスターが出始め、作為的に検索結果が変えられてしまい目的のページがなかなか見つからないという事態を生じました。そのため、利用者側も、複数のキーワードを使ったり、−(ハイフン/マイナスの記号)を使ってキーワードを除外したり工夫を行うようになります。

 第3世代の検索エンジンは、被リンクや発リンクの関連性を評価し、よいサイトからのリンク先のサイトは良いという考え(サイトランクといった重み付け)によるWebサイトやWebページの評価が行われます。

 第4世代の検索エンジンは、関連する事項が書かれたWebページからのリンクを最も集めているページを最も適合度が高いと判断するように変更された模様です。その判定の中で、無関係のページからの機械的なリンクを評価しないか(0要素)もしくは評価を下げる(-要素)として扱っているようです。第3世代の進化形であるはずですが、トップページが充実したサイトやトップページにリンクを張るように依頼するような形で相互リンクをして被リンクを増やしたサイトは、検索順位を大きく落としてしまったようです。
 サイト運営者は多くの場合に自分のサイト名をキーワードに検索して、検索エンジンにインデックスされたことを確認して、その順位変動に一喜一憂してきたと思います。私もその一人ですが。

 今日のテーマの検索エンジンの目指す未来は、「知りたいことを知ることができる」ではないかと思うのです。調べたいことをキーワードとして入力して検索した場合に、どこのサイトに掲載されているのかが問題ではなく、結論が載っているページを案内しようということだと思うのです。ゆくゆくは、SFにあるようなどんな質問にも答えてくれるようなロボットになることを検索エンジンは目指しているのかもしれません。

 ところで、現在でもグーグルはそのサイトのトップページの方が上位に来ることが多いです。内部リンクについてもサイトランクを評価しているため、各コンテンツのあるページよりその上位にあるトップページがより評価されるからです。

 今年の変更によって検索結果に大きな違が出てきたのを見るとヤフーとグーグルは違う方向へ大きく舵を切ったと思います。



 ここで疑問に思うのが、検索エンジンの当初の目的であったWebサイトを探すという役割です。広告を出したり、ディレクトリに登録されているような有名サイトは、サイトのトップページが検索結果に載りますが、個人サイトのような知名度のあまりないサイトはどうなるのでしょう。サイト名を伝えて検索してもらうということは難しくなります。
 どうしてサイト名で検索して検索結果にないのか、検索エンジンスパムや有料リンクを使っているわけではないし、誰にも迷惑をかけていないはずなのに。有名になるまで検索されないのであれば、誰にも知られることがないので有名になるチャンスはないでしょう。広告を出したり、何らかの方法でリンクを増やしたりそういう活動をしないといけないのか。それともブログやWebサイトの数がかなり増えた現在では弱小サイトは切り捨てていくということなのか。

 先行者はますますリンクを集め、やがては崇拝される存在になっていくのではないか。第一人者となるようなサイトを作るということはそう容易い事ではないと思うのです。

 だからといって、サイト作りを諦めたくないと思いますよね。そういったときに大変役立つのが検索エンジンのもう一つの側面として、身内に甘いというものがあります。検索エンジンドメインの自分を頂点として、同一ドメインや関連会社の運営しているドメインを持つサイトがより重み付けされます。つまり、その検索エンジンと同じドメインを持っているブログサービスやホームページサービスでサイトを作れば、ほぼ確実に検索されるサイトになれます。

 これからサイトを作る時には、どういった目的でサイトを作るのかを考えて、独自ドメインにするのか、ISPのサービス(ドメイン)を使うのか、無料サイトのドメインを使うのかについてよく考えなければなりません。


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