アフィリエイトのリンク テキストリンクやバナーについてのジレンマ

 アフィリエイトの成果を測るために一般的に行われている手法として、アフィリエイター固有のコードが入ったテキストリンクやバナー、もしくは紹介者コードなどを使ってECサイトへ誘導、ユーザのブラウザにCookieを渡して、購買記録に基づいて報酬支払いという形になっています。

 そのためアフィリエイトを行うには、Web、Blog、e-Mailなどにテキストリンクやバナーを掲載し、多くの閲覧者に見てもらって、クリックしてもらい、購入につなげる必要があります。



どんなリンクが良いか
 サイト訪問したユーザーの活性が高い状態では、バナー広告のリンクによる成果が期待できます。私は、バナークリックによる購入者は潜在的に上顧客になる可能性が高いものと推測します。なぜなら、広告を見てすぐに購入しようという、いわば衝動買い的な購買行動をしているのです。広告の訴求力にも拠りますが広告の効果がとても高く、アフィリエイターにとってもECサイトにとっても望ましいユーザーです。

 しかし、実際のところバナーのクリック率はかなり低いです。商品やサービスの種類、バナーのサイズやデザインによる影響もありますが、多くの閲覧者はバナーをクリックすることなく、スルーします。閲覧者の気持ちは、直接知ることができませんが、バナーが多いとページの表示時間が短い(=サイト滞在時間が少ない)ことがアクセス解析のデータの傾向から分かります。

 恐らくユーザーのITスキルの初心者から上級者にいたるまで、バナーを広告だと確実に認識しており、むやみにクリックすることはほぼないといってもいいでしょう。大きなバナーを並べて置いたり、小さいバナーをたくさん貼ったりするとページが広告だらけになって印象が悪くなるばかりか、外部リンクが多くなってリンクが発散するためサーチエンジンからも嫌われやすく逆効果です。


 それではテキストリンクはどうでしょうか。テキストリンクはリンク先のURLを見てからクリックする習慣のあるITスキルの中・上級者を除いて、広告リンクであることの認識がされていないためにクリック率はバナーよりも高くなります。

 クリック率が高まることから報酬へ結びつくことも多くなるため、これに気付いたアフィリエイターはテキストリンクを増やしたいと思います。ショップ名や商品ブランドのクリックをするユーザーは購入する可能性も高いですが、一般的な内容のテキストリンクは購入につながらないことも多く、クリックしたユーザが期待していたのとは違うECサイトへ飛ばされることから嫌悪感を覚えることになります。

 特に「戻る」や「次のページへ」と書いたリンクの近くに、テキストリンクを設置して、ミスクリックに期待する邪道な手法があります。ネットショップが著名かつ購入頻度の高いサイトのCookieをユーザにクリックさせておこうという魂胆です。こういうことをするといっそう嫌悪感が高まります。

 さらにグレーからブラックゾーンなリンク手法が、無関係な言葉にリンクを付ける方法とFRAMEタグやJavaScriptなどを使ってページを遷移させてCookieを読込ませる手法です。どちらも禁止されていることも多い手法なのですが、いまだに報酬アップ法として紹介されている本などもあり要注意です。禁止行為として契約解除になったり、報酬が支払われないということがあり、トラブルを招きますので辞めるべきでしょう。

テキストリンクしかクリックしないユーザーはもともと活性が低いので無理にリンクをクリックさせたり、Cookieを読込ませたりしても、実際の購入には結びつき辛く、閲覧者に不快感を与えたり、アフィリエイトの契約解除のリスクがある割りに効果の薄い手法といえるでしょう。


結局のところ、どんなリンクが良いのかというのは、バナー素材、テキストリンクのキーワードやメッセージの内容と閲覧したユーザーがシンクロするものが良いということになります。

どんなユーザーがページを見るのかを考え、随時分析して、リンクの貼り替えをすることが大切だと思います。


バナーやテキストリンクの数が多ければクリック数は増えますが、印象が悪化したり検索エンジンからマイナスの評価を受けやすくなります。また、リンク数が多くなっても同じ人が何度もクリックしても報酬にならないので、ユニークユーザーじゃないとクリックが無駄になります。アフィリエイトのリンクにはこういったジレンマを絶えず抱えています。