メディアの歴史

 まず、現在までのマスメディアやインターネットの歴史を簡単に振り返ってみます。

 インターネット普及前のメディアでは、新聞や雑誌、ラジオやテレビといったマスメディアがその役目を果たしていました。商品の製造元や販売店など流通業者から広告掲載とタイアップするか、報酬や商品提供を受けて、使用感を検証するモニタリング記事を載せていました。今でも家電製品、音楽や映画などではその道の評論家や批評家に商品を提供してコメントをもらうという方式が強く残っています。この内容はほとんどが肯定的な内容です。観たり聴いたりしたかちょっと疑問に持つような内容のものさえあったりします。プロは忙しいから、全部観たり聴いたりしないという話も聴いたこともあります。
 以前から雑誌や新聞の中には読者モニターを取り入れることもありましたが、ごく少数でした。

 インターネットが日本で一般に利用され始めた94〜95年頃は一部の技術に長けた人間がはじめた製品レビューページや愛用製品のページが、ユーザの購買行動に影響があることが分かると、メーカーは製品を提供して紹介してもらうようになり、アクセスが多いサイトや影響力のあるサイトは製品CMであるポップアップやバナーを掲載するようになります。

 あまりにもポップアップ広告がたくさん表示されるようになって、画面が埋め尽くされるなど不快なポップアップ広告はポップアップブロッカーといったツールの登場で廃れていきました。

 ポップアップ広告全盛時代に前後してプロバイダーのホームページを安価に開設できるようになり、無料ホームページサービスが出揃ってくると、次第に個人の影響力があるサイトも増えて、企業と個人を仲立ちする必要が出てきました。そこで広告契約仲介専門のアフィリエイト会社の登場です。アフィリエイト事業は、広告主探しとサイトの持ち主のマッチング、広告の表示ルール、ページビュー報酬、クリック報酬、売上げ成果報酬、など報酬についての取り決めから、使用するバナーイメージデータの管理、報酬管理をします。アフィリエイト会社は、広告主とサイトの持ち主の広告契約を仲介する形をとるため、比較的大きな企業とアクセスの多いサイトの持ち主の利用の割合が多くなっています。
 小さい会社でも個人事業主でもWebサイトを持つようになった現在では、アフィリエイト会社を通じた継続的な広告だけでなく、小規模の広告をページのコンテンツにマッチさせて広告出稿したいニーズが出てきました。そこに目をつけたのがグーグルの広告サービスです。

グーグルは検索エンジンのコンテンツ解析技術を応用して、広告主から依頼を受けたキーワードと、ページ中に使われている言葉があった場合に、ページ内に広告を出力する様にしているのです。