アフィリエイトサイト運営のジレンマ No.1

本日テーマの「アフィリエイトサイト」とは・・・
何らかの広告リンク、広告バナー、CMフラッシュ動画などを掲載するすべてのサイトをアフィリエイトサイトと呼ぶことにします。個人のサイト、法人のサイトは問いませんが、自社サイトで自社商品の宣伝や商品説明をするものは除きます。代理店サイトは区別が難しいですが、提携を謳っていても自身で物品の販売やサービスを提供していない、金銭授受の伴わないサイトはアフィリエイトサイトと分類したほうがわかりやすいかもしれません。


アフィリエイトサイトの運営には、現実世界の店舗の立地戦略や販売戦略とも共通するいくつものジレンマがあります。

  1. 来店客数(サイト訪問者)を重視するか、ごく少数の特定の顧客を重視するか

来店客数重視戦略
 現実世界にたとえると、駅ビルやショッピングモール、繁華街、商店街にショップを構えることになるでしょう。客層はともかくとして来店客数を増やそうという戦略です。低額商品でも高額商品でも見てもらえれば買ってもらえるとか、体験してもらえれば買ってもらえるというタイプの一般的な商品に向いています。簡単に言うと、この戦略は誰でもほしくなる商品向けということです。

商品の例: 衣料品、食品、生活家電品、貴金属、金融など

 それではどんなWebサイトがこのタイプの戦略に合っているのかというと、サイト訪問者数が多いサイト、各分野からの訪問者が多いサイトが当てはまります。集客力を維持するために、頻繁に更新し、またほかのサイトからの被リンクを多く獲得できるように活動します。サイトには特定の商品の色を付けずに運営していくとよいでしょう。

競合サイト: ポータルサイト、価格比較サイト、ナビ系サイト、マスコミ系サイト、その他情報系サイト、(サイトではないが現実の店舗もライバルになる)

ジレンマ: 来客数が多いが成果につながる確率が低いため、成功確率アップが課題です。しかし、コンテンツはマニア向けの内容には出来ないのでそこのところにジレンマがあります。絶えず、流行を追いかけて、コンテンツの内容にもバランスをとる必要があるのです。



特定顧客重視戦略
 現実世界では、デパートの外商、問屋街、専門店街、会員制ショップと呼ばれるバイヤーやプロ、専門家向けの販売方法です。一般の人は買うことがほとんどないような商品や特定顧客向けにカスタマイズした商品を扱います。

商品の例: 絵画、美術工芸品、高級衣料品、健康食品、業務用食品、高級オーディオ、高性能パソコン、証券、美容・エステ、医療、富裕層向け商品など

 それではどんなWebサイトがこのタイプの戦略に合っているのかというと、特定の分野に詳しい人が、その分野のサイトを扱っている場合が該当します。専門性を生かしたコンテンツ作り、こだわりやその分野への造詣が深いことがわかる内容、共感が得られる内容にすべきです。また同様の分野で活動している人とのつながりが大切で、仲間とのリンクが欠かせません。

競合サイト: 専門雑誌のオンラインサイト、その分野で専門家として活動している人(法人含む)のサイト

ジレンマ: 分野の絞込みがしやすいため、来客数が少ないものの高い確率で成果を出すことが出来ます。しかし、全体のパイが少ないため、あまり成長が期待できません。関連分野に進出するとサイトの特徴がぼやけてしまいます。また、全体のパイが少ない上に、大抵の広告主(ECサイト)では会員登録を行っていて、その後の取引は、客とECサイトが直接結びついてしまうため、既存顧客を引き止めることが出来ずに、成果報酬は先々減少してしまいます。特に、証券・金融、定期宅配サービスの食品にこの傾向が顕著です。客が少ないのに2度目がないことが問題なのです。




 アフィリエイトでは、来店客数重視戦略をとるにしろ、特定顧客重視戦略をとるにしろ、広告を掲載するベースとなるWebサイトの方向性と合っていなければいけません。しかし、Webでは相手がどんな人かまったくわかりません。わかるのはアクセス解析でとれるリンク元、検索キーワード、OS・ブラウザの種類、参照したページくらいなものです。

 Webサイトの運営期間が長く、その分野でコミュニティーリーダとして、閲覧者と交流があり、高い知名度があって、オフ会などでメンバーを集められる場合には、自分のサイトの特徴がわかるでしょう。

 しかし、始めたばかりのサイトでは、アクセスしてくるユーザも少なく、アクセスにつながった理由も偶然性に頼っていて、統計的に分析できない状態です。地道にネット上での活動をするしかありません。アフィリエイトの広告で稼ぐために、即効性を狙ってサイト広告を出稿するような方法があるにはあるのですが、広告で集めた来客数の維持は、手を変え品を変えいつも広告を出していなければ続きません。また同じ広告を出し続けると効果が薄れてきますし、他社が広告出稿した場合には影響を受けてしまいます。

なので、
・来店客数重視戦略では、固定キーワード+流行検索キーワードで大量に広告を出す。

・特定顧客重視戦略では、広告を出す場合にはピンポイントで打ったほうがよいでしょう。

この辺については広告業の人はとても詳しいのでアドバイスをもらうといいでしょう。




このジレンマに打ち勝つために・・・

理想は、ドメインの違う複数のサイトを持つことです。
来店客数重視戦略をポータルサイトで行い、特定顧客重視戦略を専門ガイド系サイトで行うのです。
著名な例としては、ヤフーとオールアバウトがあります。
もう少し的を絞ったやり方としては、企業サイトの運営における、企業名のサイトと製品ブランドのサイトを別々のドメインに作成する方法です。(例:ソニーwww.sony.co.jp プレイステーション playstation.com、東芝www.toshiba.co.jp レグザ www.regza.jp、挙げれば切りがありません。)


それでは、個人の趣味の延長のサイトでアフィリエイトをお小遣い感覚で稼ぎたい人にはどうしたらよいのでしょうか? ドメインをたくさん取得したり、コンテンツを業務で造ったりするようなことは出来ないですし、したくないと思います。そうしたら、趣味の分野で、その内容にあったアフィリエイトを行うのが良いでしょう。

初心者の方へワンポイントアドバイス:ある程度の集客が出来るようになってからアフィリエイトをはじめるのがコツです。




アフィリエイトサイト運営のジレンマ No.2では、
アフィリエイトのリンク テキストリンクやバナーについてのジレンマについて書きたいと思います。