クラウド時代のサイト運営方法

 インターネットが日本でも普及するようになって以来、私は主にWebホスティングサービスの利用によるWebサイトの運用から、ISPのオプションサービスのWebサイトの運用を経て、無料Webスペースの活用をしてきました。自分でWebサーバの設備、マシンルームを運用する技術がないわけではないのですが資本効率から考えて、コンテンツクリエイション分野を軸に活動しています。

 「クラウド時代のサイト運営方法」はどのようにするのがよいのか考えてみようと思います。レジストラに登録したドメインを持っていて、DNS登録を変更する手間を惜しまなければ、同じURLですぐにでもWebを引越しして公開することが可能です。Webサーバ用の設備を持たないで運用している場合、別のサービスへ移行する障壁は極めて低いです。機能、信頼性、稼働率、価格などの要素を考慮して利用するサービスを選べばよく、おそらくWebサーバ用のハードウェアを購入してセットアップするより簡単でしょう。
 こうなるとWebサイトの構造として、特別な構成にしないこと、特殊なフリーソフト、サーバサイドスクリプトを利用しないことが移行性を高めます。ただし、データベースやメールサーバなどがWebサイトのサービスのメインになっている場合は考慮しなければなりません。アクセス解析やアクセスカウンタなど自分で運用する必要がない場合は、他のサービスを利用するのが簡単です。
 Webフリースペースはサイト運用費用が掛かりませんから、どんなクラウドサービスが登場しようとそのまま使い続けても構いませんし、費用をかける価値があれば移行させてもいいでしょう。ドメイン名やURLはもともと自分のものではないので移行させるときは転送用のページだけにして中身を移します。

 一方で、資本力があり自社がデータセンター、コンピュータ機器、SIに強みを持っている場合には、「クラウド時代のサイト運営方法」はどのようになるのでしょうか。この場合には、競争力がある価格、つまり安価にデータセンター、コンピュータ機器、SI事業ができるわけですから、規模を拡大して、多くの顧客を取り込むことがよいのではないでしょうか。その際には、サービスのスピード、使いやすいサービスが魅力的な料金プランで提供されていること、技術的な特殊性(囲い込み)が重要でしょう。特別な価値がなければ他のクラウドサービスへ顧客は移ってしまうでしょう。おそらく、回線容量の観点で人口の多い地域の近くにデータセンターを持つメリットはあるので、いくら土地や用力が安いからといって大容量回線が引かれていない地方へデータセンターを立てられないでしょう。

 クラウド時代のサイト運営方法としては、よりいっそう得意分野(コア)に集中するべきだと私は考えます。