景気は確実に回復しつつあるも、勝ち組・負け組みに二極化している

タクシーの乗車率が最近上がっているなと思います。そのほか、販売や人材市場にも現れてきているようです。ユニークなデザインや機能を持っている高額商品が売れているようです。

景気回復の初期段階に見られる状況が統計にも表れるようになって来ました。

景気は確実に回復しつつあるも、勝ち組・負け組みに二極化していると私は見ています。企業では大きく黒字を出す企業と売上げ減少と赤字に苦しむ企業に分かれています。個人でも高所得を維持している人たちと所得を減らしている人たちに分かれていると思います。

このような中で中流下流層は好況期は別として、買う理由・メリットを強く感じる商品やサービスは買うものの一般的なもの、急いで買う必要の無いものや工夫のないサービスはあまり買っていません。そのため、一般小売店は厳しい状況です。

階層別の行動パターンとして、私の感覚ですが上流層は百貨店や高級スーパー、専門店を利用していて、商店街にあるような一般の商店はまったく利用しないような印象です。勝ち組・負け組みに二極化する傾向がこれからも続くとすると、戦略的には高所得者層を狙った高品質・高額サービスと中低所得者層を対象としたお得感のあるサービスに分けて展開するか、どちらか一方に特化する必要出てくると思います。


■参考 景気ウォッチャー調査(平成22年12月調査)
家計動向関連
良くなっている
百貨店(販売促進担当)
販売量の動き
・明らかに高額品の動きが良く、高額ジュエリー関係等も非常に好調に推移している。輸入品の高額品は、堅調である。

やや良くなっている
タクシー運転手
お客様の様子
・今月は3月ごろに少し似ているところがあり、若干上向きになっている。一時的なものなのか、これから1〜2月に続いていくのかは分からないが、若干明るい見通しになっている。


悪くなっている
商店街(代表者)
販売量の動き
・商店街から大型店舗へ客足が集中している。年末だからといって商店街で購買する魅力がなくなってきている。商店街の店舗構成は、物販店から飲み屋が増加してきており、より一層、昼間の商店街の魅力を低させている。

家電量販店(経営者)
販売量の動き
・エコポイントの制度変更の影響で客数が減り、対象商品以外にも影響が出ている。1年の内で売上規模最大の12月の売上が、大きくショートしている。


高級レストラン(支配人)
来客数の動き
・宴会は、大型の会合は減っているものの、中、小の会合が増加傾向にある。食堂は夜の接待的な会合の減少が止まらず、それが昼の利用に回るなど、客単価の減少にもつながっている。全体としては依然、厳しい状態が続いている。

一般レストラン(スタッフ)
来客数の動き
・当店は前年を維持し10%くらい上がっているが、これは一生懸命にやったからである。独自の、本当に良いものをやっているので、普通の店舗と大きく違う。
競争する相手がいないので前年を維持できているが、よそはどこも入っていない。独自色を出している所は客が良く入っているが、景気自体は絶対に良くない。




企業動向関連
やや良くなっている
人材派遣会社(支店長)
求人数の動き
・年末が近付くにつれ、即日から契約開始の長期の派遣依頼が増加している。

人材派遣会社(営業担当)
求職者数の動き
・担当クライアントの派遣需要はさほど伸びていないが、契約終了後の再稼動(リピート就業)率が若干向上しているようである。人材流動化の動きが出てきている。


悪くなっている
求人情報誌製作会社(広報担当)
周辺企業の様子
・1年間、景気は全く回復しなかった。中途採用の求人を見ても、本来大量採用を行うはずのメーカーと金融が、全く鳴りを潜めている。出てくる求人は新興ベンチャーと一部IT企業だけである。これらはまだ中小企業なので、大量採用にはほど遠い。採用しても正社員ではなく、契約社員以下である。最近の傾向として、業務委託求人が増えている。


景気ウォッチャー調査(平成22年12月調査) 平成23年1月12日公表 景気判断理由集(現状) 南関東 より




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