「グローバル」、「グローバル」といっている会社は危ない!

 多くの成熟した製品やサービスにおいて、日本の市場での売上げが減っている状態が続いています。労働者への配分が減り購買力が弱くなり、消費が減るため需要も減り、所得も減るため悪循環しています。こういう状態でも海外では成長が続いている国や地域があります。経営者にとってはとても魅力的な市場、事業環境があるように思えるでしょう。現地に進出して工場を建てて人を雇って、その国と周辺国へ製品を販売するとうまくいくと考えるでしょう。これが日本で成功していない企業ならなおさら焦って新天地へ打って出たいと思うはずです。

 本来、日本の国内市場でシェアトップ、もしくは利益を一番上げている状態で、事業を多角化せずに同じ事業を海外で行うという展開の仕方が望ましいです。なぜなら、挙って同じような企業群がその国に進出したら、同じような市場競争になり遅かれ早かれまた利益が出ない状態になるのです。簡単に言ってしまうと、日本で自社よりも上のシェアを持つ企業が同じ国に進出して競争したらたぶん勝てないということです。ですから、成功してから、日本一になった分野からグローバル展開を図るべきです。社員全員が海外勤務経験と言っている企業は適材適所の人材登用ができていないことを宣伝しているようなものです。
 本当に旨くいっている企業は日本から進出したというよりも現地の企業のように活動しています。その国の環境や国民性に合わせる部分、その企業の持つ事業の強みが最適なバランスで融合し事業活動をしているからです。

 日本でうまくいかないから、海外で一旗上げようと考えてもうまくいきません。アウェーで戦う厳しさを考えてみてください。なれない土地、気候、慣習、文化、外国人・外国籍企業に対する規制など不利な点は多いです。有望な市場があるときたされている新興国には他の先進国の企業も進出してきます。すこし話は変わりますがプロスポーツ選手を見ているとよく分かります。地域リーグで上位になるとナショナルチームの代表に選ばれ、世界を相手に試合をします。日本で勝った選手、トップレベルの技術や記録を作ってから海外に行った選手は海外でも活躍して高評価です。片や自分のホームチームの待遇などに嫌気がさしたのか大した成績も残さずに海外へ行った選手は早々に日本に帰ってきています。これは芸能人でも同じ傾向があります。

 英語などの語学がだけが問題ではないのです。コアの部分が大切です。それは技術であり、センスであり、競争に勝とうという意気込みだったりとさまざまな要因が集まって形成されます。


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